goodbye,youth

増子央人

2020.03.05

昨日のスタジオ前に本屋によって少し気になった小説を手に取り表表紙のそでに書いてあった作者の自己紹介欄を見ると「好きな歌手はWANIMAとKing Gnu」と書いていたのでなんとなく本を閉じて本棚に戻した。レコーディングが終わったばかりだがスタジオでは新曲作りが行われている。

一昨日の帰り道、居酒屋の前で酔っ払いのお兄さんが「出てこいコロナ!顔も出さんくせに!びびってんのか!絶対殴る!おれが代表して殴る!」と叫んでいた。その仲間と思われる人たちが周りで笑いながら、「無理やで、無理!」と言って止めていた。どうかあのお兄さんが何もなくさず何も失敗せず誰にも嫌われずに無事家に帰って明日の二日酔いも割と弱めのやつが来ますように、と願いながら家に帰った。

バイト先の居酒屋では、「やめてや増子くん!ライブハウス行ったりしてへんやろな!ここでうつる可能性一番あるの増子くんやからな!」と笑いながら言われ、冗談で言っているとわかっているが今は本当にそう見られる世の中になっているんだと驚いた。糞食らえだ。ライブハウスは何も悪くない。

部屋のトイレットペーパーがいよいよなくなりそうになって、いつもより節約気味に使うようになったがそれでも充分事足りたので、今まで無駄遣いしていたんだと思った。

スタジオから帰る途中、すき家で食べたしじみ汁で舌を火傷した。一体何回舌を火傷したら学習するのか。今日やっと確定申告を終わらせた。トイレットペーパーの無駄遣いに気付けたことと、税務署での確定申告の案内が去年と比べものにならないほど空いていたことだけが、今回の騒動で良かったと思えたことだった。漫画の世界のような非現実的な日々の中でも生活は続いていく。