家から最寄り駅まで歩いていると、前から1人の男の子が歩いてきた。彼はおれがよく飲みに行く先輩の息子で、近所に住んでいるのでよく会う。今から友だちと公園で遊ぶねん、と言っていた。たまたま方向が同じだったのでその公園までいっしょに歩いた。少し話していると彼の友だちが続々と集まってきたので、んじゃ楽しんで、と言っておれは公園をあとにした。
彼と少し前に話したとき、どんな話の流れだったかは忘れてしまったが、あんまりおれのこと舐めんなよ!と言われたことがある。思わず笑ってしまい、ごめんごめんと謝ったが、彼とは小学校に入る前からたまに遊んだりしていたから、なんだか感動したのを覚えている。すごく大事な感情が彼に芽生え出しているんだと思った。
先週の土曜日、メンバーみんなで日本のプロバスケットボールチーム、バンビシャス奈良のホーム戦を観に行った。おれはたまに観に行っていたが、えーすけとなおてぃは人生で初めてバスケの試合を観ると言っていた。おれはハーフタイムにフリースローチャレンジをしたが、3本とも外して、レイアップチャレンジに変更してもらうというバスケ経験者としては何とも恥ずかしい結果に終わった。その日の夜夢に見るぐらいには悔しかった。
おそらく10年程前、大和西大寺駅の前でバンビシャス奈良のスタッフがチームの情報をプリントしたうちわを配っていた。何も知らずに受け取ったおれは、うちわに書かれた情報を見て、初めて地元奈良にプロバスケットボールチームがあるということを知った。Age Factoryもその頃ライブハウスでフライヤーをお客さんに配ったりしていたので勝手にシンパシーを感じたし、なんとか色んな人に知ってもらおうとしているバスケチームが地元にあるということに凄く感動したのを覚えている。
そのあと初めて観に行った試合は勝ったか負けたか覚えていないが、あのコートに立てることがどれだけ難しいことか、どれだけの努力を重ねてきたのか、とか色んなことを想像して、色んな感情が混ざり合って、試合開始のジャンプボールの時点で涙が出そうになるほど感情が昂った。そうなるのが早すぎて自分でも引いた。
他にも、中学の頃よく練習試合をしていた他校の上手くて目立っていた先輩がバンビシャス奈良でキャプテンをやっていた時期があったり、高校の頃おれに色んなことを教えてくれたバスケ部の先輩がバンビシャス奈良にスタッフとして関わっていた時期があったり、色んなことが勝手に自分の中だけで重なっている。
つまり先週の土曜日は、また勝手に新しく重なった1日だった。初めて試合を観たえーすけとなおてぃが凄く楽しんでいたことも、勝手に嬉しかった。
今年は気がつくと桜が満開になっていて、毎年のようにまた雨が降って、気がつくと散っていた。少しずつ気温が上がってきている。来月にはまたツアーが始まる。