2017-01-01から1年間の記事一覧
もうあと2日で2017年が終わるって。3日後には、今年で26歳ですって自己紹介しないといけない。昔テレビの街頭インタビューでよく見た 会社員(26) なんて、もう別世界の人ぐらい大人に感じていた。 損得だけ考えて動く人は、間違っていない。気持ちだけで動く…
街の光は生きるための光以外ほとんど消えた。昨日まであんなにキラキラと装飾されていた木はただの木になった。年の終わりに向けて本格的に時間が走り出した。バスケット選手はバスケットだけ、野球選手は野球だけ、小説家は小説だけ、役者は芝居だけ、政治…
今年のクリスマスは雪が降るのかなと毎年、別に降っても降らなくてもどっちでもいいのに一応考える。最後にサンタさんにもらったプレゼントは確か横1.2メートル程の大きな水槽だった。色んな生き物をそこで飼った。その前の年は確かコブクロのアルバムだった…
舐めていた。まさかこんなに寒いとは思っていなかった。移動中の車で本を一冊読み終えて、ふと外を見ると白い雪が沿道に汚く積もっていた。車の中は暖房のおかげで暖かい。外に出るのが怖い。なんならこのまま奈良へ帰りたい。読み切ろうと思っていた本を二…
高松の商店街を1人ひたすら歩いた。海が近いせいか風が強く冷たかった。酔っ払いたちがたくさん歩いていた。自分が素面のときに酷く酔っている赤の他人を見ると、たまにイライラする。自分は酔うとあれ以上に酷いのにだ。自分のことは棚に上げて、酷いやつだ…
福島の婆ちゃんに手紙が届いたと、父から連絡があった。婆ちゃんは喜んでくれたみたいだ。ありがとうなという文字といっしょに、父から福島の綺麗な景色が送られてきた。朝の白い久慈川と、当直バイトをしているゴルフ場のオレンジ色に染まる朝焼けと、家で…
「東京はだんだん寒くなってきました。星はあんまり見えません。ビルから吹く風がたまに怖いです。どこに行っても黒はなく、落ち着けません。お店から漏れてくる暖房が暖かいです。コンビニのおでんはとても美味しくて、心まで温まる気がします。」 東京では…
気がつけばもう一年の最後の月になっていた。ワンマンライブの前日も普段と変わらずバイト、夜中家に帰るとばあちゃんからの手紙が届いていた。もう90近いばあちゃんはとても真面目で、面白くて、一途で、可愛くて、強くて、人に優しい。一昨年に向こうへ行…
ライブのない日々が終わりかけの秋に馴染んでいく。新しい音楽ばかりを探す。新しい本ばかりを探す。25歳のおれはビールが相変わらず好きで最近ホッピーなんか飲み出した。でも家では全然飲まないんだ。誰かと飲むお酒がやっぱり好きなんだと思う。でも散歩…
ツアーファイナルが終わり、奈良に帰ってきた。ツアーファイナルというのは名前だけで、ツアーが終わってもライブは続く。昨日はあんなにたくさんの人が集まるなんて思ってもいなかった。ステージから見えるみんなの顔はおれたち以上に真剣で、それが嬉しか…
久しぶりに奈良に帰ってきた。実家の居間にはコタツが出ていた。次の日の今日、7時間のスタジオがあった。帰りの電車に揺られている。電車の椅子には、くたびれた顔をしたサラリーマンたちが人の視線など御構い無しというふうに寝ている。自分も疲れていると…
福島で父がライブを見に来た。父がライブに来るのは2回目だ。打ち上げのあと、2人で飲みに行った。「ゴルフの打ちっ放しのバイトの代わりが見つかったから、明日見に行けることになった。」という前日の父からのラインでわかるように、お金なんてないくせに…
新潟のホテルで昔飼っていた犬の源太郎の夢を見た。自分でセットしたアラームに夢を中断されて、すぐに夢の続きを見ようとアラームを切って目を閉じたがもうその夢は見れなかった。車でいっしょにどこかへ旅していた。相変わらず源太郎は車の中で落ち着きが…
この前読んだ本のクライマックスに、「だってオレたち、あの世に知り合いがいるんだ。それって凄い心強くないか!」というセリフがあった。この本はとても面白かった。この本のおかげで、遊びに行くといつもお菓子を出してくれたひいお婆ちゃんも、結局一回…
窓の外で海がまるで生きているかのように常に動いている。遠くの水平線が、地球は丸いということを示している。空の色とは確実に違う青をした海は所々に白が散りばめられている。常に動いている海は風のせいか、地球が回っているせいか、その両方なのか、と…
ライブハウスに着くと後ろの空の大きな煙突から煙が自分勝手に吹き出ていた。苫小牧のライブハウスの前の道にはベンチがいくつか置かれている。都会ではあまりない光景だ。街がのんびりとしている。道も空も広く、北海道の冷たく澄んだ空気を大きな深呼吸で…
札幌の空気は澄んでいてとても冷たい。アウターを奈良から持ってきて正解だった。舞鶴を24時に出てフェリーに揺られて20時間、小樽に着いたのは20時ごろだった。フェリーの中ではほとんどの時間が圏外だった。iPhoneも使えないので11時ごろに起きて本を読ん…
肌に触れる風は少し冷たく、長袖のシャツを羽織れることが嬉しく感じる。田んぼの横道には彼岸花が咲いていた。彼岸花は地獄に咲いている花なんだよと昔誰かに教えられてから、あの花はおれの中ですごく特別な存在だ。じ、地獄に咲いてるの、、!?だからあ…
コンビニATMの前、残高の数字は久しぶりに見る高い金額だった。頑張ったんだなと少し感傷に浸っていた。その数字は音楽によるものではない。それでもおれは、バンドが仕事だと声を大にして言う。稼いだ金の量ではない。そう意識することがきっと大事なんだ。…
長崎の街へ着くと、雨は弱くなっていた。台風とはすれ違いになっていたらしい。リハーサルが終わる頃には、外はすっかり晴れていた。雨上がりの長崎の街並はいつにも増してとても綺麗で魅力的に見えた。THE FOREVER YOUNGのライブで少し泣いた。あの人たちの…
朝起きると声がガサガサになっていた。おそらくもともと風邪気味だった喉に打ち上げで長時間ビールと大声という負担をかけたせいだ。自業自得だと思いながら、前の日の打ち上げ終わりにシャワーを浴びながらご機嫌で歌を歌っていた自分を恨んだ。大分の街を…
池永先生はおれの目を見てただじっと話を聴いてくれた。 学校を辞めたかずまは最後の文化祭に出ることは出来なかった。学校の決まりで生徒しか文化祭のステージに立つことは出来ない。それでも翔太は最後はこのメンバーでやりたいと強く言った。おれたちも翔…
朝、機材車はいつも通りなおてぃーの運転で奈良から広島へ向かう。車内は全員がイヤホンを付け、会話はない。ツアーを何本か付いてきてくれる照明のちえみちゃんも車に乗っていたがもうこの様子には慣れたようでみんなと同じようにイヤホンを付けていた。お…
9月に入って気温が少し下がった。消えた火薬の匂いはいつの間にかしなくなったが蝉はまだ鳴いている。しっかりと米をつけた稲は今か今かと収穫の時を待っている。あれを見るたびいつも農家の人たちの姿が目に浮かぶ。あれは努力の結晶だ。あんなに綺麗なもの…
朝6時、重たい瞼を擦りながらテレビの前でご飯を食べていた。テレビは突然見たことのない画面に変わり、さっきまでニュースを淡々と読んでいたアナウンサーが何度も同じ言葉を繰り返し出した。画面には国民保護に関する情報と書かれていた。どのチャンネルに…
福島にいる父から手紙が届いた。内容はRIVER聞いたぞということと、PV80回は見たということと、おれがバンドで10月福島に行くことをネットで知った父さんが婆ちゃんに「央人10月にライブしに来るらしいぞ」と伝えたら、「んじゃ、行ぐが」と真顔で言ってきて…
家を出て1分、近所の犬のクッキーは今日も暑そうに芝生の上で寝転んでいる。心の中で声をかけて原付を走らせる。人と話をすることはやっぱり大事なことだ。昨日の居酒屋で思った。選択を迷ったとき、しんどいかしんどくないかはできるだけ考えたくない。楽し…
東京に滞在しているといつも食生活が乱れる。コンビニで気休めの野菜ジュースを買う。そしてラーメンやチャーハンばかり食べる。大体いつもそんな感じ。一昨日の東京でのライブは見たことのない景色だった。色んな人に、今までのライブの中で一番だったと言…
蝉の声が大きくなった。入道雲も増えた気がする。夜クーラーをつけないと寝れなくなった。知らない間に8月になっていた。クーラーをつけたまま寝ているせいで朝起きると少し体が重たい。この前ミニアルバムを発売した。少しずつ確かに、広がっていることを実…
連日のライブがひと段落した。奈良へ帰る車内はいつも通り会話はなく、各々が各々の過ごし方をしている。険悪な空気ではない。居心地は割といい。窓から見える工場夜景はとても綺麗で、今日もあの光の数だけ誰かが働いていると思うと気が引き締まる気もする…