goodbye,youth

増子央人

2020.05.09

nothing anymoreが終わり、映像がエンドムービーに差し替えられ、3人は終わりの合図をその場でじっと待った。OK!の言葉とほぼ同時に周りから拍手が聞こえ、監督の央大がお疲れさま、最高やった、と言いながらこちらに歩いてきた。この日のために相当な準備をしてくれた央大の安堵の表情を見て、やっと終わったことを実感した。メンバーと撮影チームが事前に集まることはできなかったので、当日のリハーサルで全てを確認する予定だったが結局時間の都合で全ては確認できなかった。出番の直前までカメラの位置やVJを確認するスタッフの人たちを見て、現場に漂う緊張感を久しぶりに感じた。やろうとしていたことは、ほとんどぶっつけ本番の生配信で行うレベルを超えていたんだと、当日になって初めてわかった。3人だけでは、何もできなかった。

帰り道、おれがドラムを叩いているDROP CLOCKのボーカルで、奈良ネバーランドでブッキングを担当しているれおなから配信ライブを見たと電話がかかってきた。れおなは電話越しに泣いていた。大丈夫やと思った、ありがとうってみんなに伝えといて。おれネバーランド絶対に潰さへんから。みんなにありがとうって伝えといて。泣きながら何度もそう言っていた。その電話に彼の人柄が全部出ていた気がした。その他にも、色んな人たちから見たよと連絡を貰った。配信ライブをしてよかったと心から思った。

家に着いて、洗濯物を洗濯機に入れシャワーを浴びて歯を磨いてベッドに入った。久しぶりに1日が短かった。