goodbye,youth

増子央人

2020.03.14

昨日、家に帰る頃には若草山に陽が沈み、薄明の西の空は青色から赤色へ変わっていく最中だった。この日も白線から飛び立つ小さな鶴。薬局で買ってきたシャンプーとボディソープを詰め替えて、THROAT RECORDSへ向かった。店に着いて欲しかったサイモン&ガーファンクルのレコードとアサヒの缶ビールを一本買って、飲みながら五味さんと話をした。新譜の話になり、店のスピーカーで"EVERYNIGHT"を流して聴いてもらったあと、LOSTAGEのミックス途中の新譜"HARVEST"を聴かせてもらった。そのあともしばらく個人的な話を聴いてもらい、3本目の缶ビールを飲み終えたところで腹が減ってきたので店を出て駅前のやよい軒へ向かった。

今日はバイト終わりにいつもの蕎麦屋で唐揚げ定食を食べようと思い原付で店の前まで行ったがシャッターが閉まっていた。3/14より、しばらくお休みを頂きます。と書かれた貼り紙が貼られていた。勘弁してくれ。こんな状況の中、おれはあの唐揚げ定食を次にいつ食べられるかわからないのか。二月とは比べ物にならないほどスケジュール帳を埋めるバイトの出勤予定。本当ならライブをしていたはずの日々、時給1000円で不安を埋める。今日はコンビニで買ういつもの缶ビールをなんとなく金麦にした。家に帰って昨日買ったレコードに針を落とした。

周りの目は気にしない。同調意識を持たない。自分の好きなものに誇りと自信を持つことが、自分の人生を肯定することになる。そして食べ切れるわけがないのに関西だししょうゆ味のポテトチップスを開けてしまった。あーあ、知ーらね。