goodbye,youth

増子央人

2017.07.18

連日のライブがひと段落した。奈良へ帰る車内はいつも通り会話はなく、各々が各々の過ごし方をしている。険悪な空気ではない。居心地は割といい。窓から見える工場夜景はとても綺麗で、今日もあの光の数だけ誰かが働いていると思うと気が引き締まる気もするし、どうでもいいなとも思う。あの光は幻想的で生活的で、とても眩しい。東京タワーを初めて近くまで見にいったとき、あまりの大きさに圧倒された。333mの話ではない。あれを建てるためにどれだけの人の本気があったのか、この光にどれだけの人が想いを馳せたのか、おれには想像もできなかった。ただその大きさを感じることはできた。東京タワーの光はとても特別だった。奈良に帰り少し休んで、また4日後には東京へ行く。機材と夢を乗せたバンドワゴンは走り続ける。ヘッドライトは前しか照らせない。