goodbye,youth

増子央人

2020.12.21

シロップを全部入れたら甘すぎた。失敗した。なんならホットにすればよかった。入店したときは暖房が暑いなと思ったのに、今は寒い。なんでだ?と思って周りを見たら入り口のドアが開きっぱなしになっていた。換気しているっぽい。コロナのせいでおれは、紅茶をホットにするかアイスにするかの判断を間違えた。…ついでにシロップも入れ過ぎた。確実にコロナのせいだと思う。

昨日、高校一年生の男の子と、飼っていた犬の話になった。その子は家で犬を飼っていて、少し前に1匹が死んでしまったけど、まだ2匹いて、とても可愛いんだと屈託のない笑顔で教えてくれた。犬飼ってる?と聞かれたので、昔飼ってたよ、結構前に死んじゃったけどな、と答えると、突然その子は俯いて、今にも泣き出しそうな顔になった。なんでお前が泣きそうやねん!かなり昔のことやから!と笑いながらツッコむと、そうかぁ、そんとき泣いた?と聞かれたので、うんまあ、そのときは泣いちゃったなあ、と答えると、そうかぁ、と言ってまた俯いて、泣き出しそうな顔になった。だからあ!なんでお前がそんな顔すんねん!とまた笑いながらツッコんだが、なんだか嬉しかった。他人のことで悲しむことができる人は優しい。彼のそういうところは今までも何度か見てきた。見習いたいといつも思う。

先日、約1年ぶりに、DROP CLOCKのメンバーの宇田さんと会って飲んだ。宇田さんは、色んなことがあって今はバンドの活動に参加していない。底抜けに優しい宇田さんは、もうしばらく会っていない友だちのことばかり心配していた。みんなは変わらず元気にやっていて、たまに4人でスタジオに入ったりもしていることを教えると、とても安心していた。今の仕事はやり甲斐があって、上司も良い人らで、ほんまに楽しいねん、と話す宇田さんを見て、おれも少し安心した。案の定その日は飲み過ぎた。