goodbye,youth

増子央人

2022.10.12

昨夜深酒したわけでもないのに寝起きの体調はすぐれず、朝は毎回二日酔いのような気持ちになっている。ひとまずリリースしたばかりのAFJBのアルバムを聴いた。このアルバムにはAge Factoryとはまた違う、おれらがカッコいいと思う音楽が詰め込まれている。

あの日は蝉の鳴き声で目が覚めて、つけっぱなしのクーラーのせいで寝起きの身体が重たかった。身支度をしてなおてぃの家に向かい、JUBEEも含めた4人でアルバム制作をしていた。制作は終盤で、えーすけとJUBEEは部屋の中をうろうろしながらHANABIの歌詞を作っていた。「"またここで会えたら"てどう?」とえーすけが言うと、「いや、"会いたい"でしょ!"またここで会いたい"にしよう!だってまた会いたいじゃん、言い切ろう!」とJUBEEが間髪入れずに提案した。えーすけはなるほど、と言って、結局その歌詞が採用になった。おれは後ろで床に座りながら、不思議な気持ちになっていた。"会えたら"は、とてもえーすけらしい、言い切らない、あくまでも聞き手に委ねる、Age Factoryの世界観だと思って、いいやーん、と思っていたら、"会いたい"と言い切りたい、とJUBEEが提案してその歌詞になったことで、Age Factoryとはまた違う、新しい場所へみんなと走っていけそうな気持ちになった。どちらが良くてどちらが悪いとかそういう単純な話ではない。新しい風が吹いた気がした。

先日の渋谷WWWで行われたJUBEEのツアーファイナルは満員御礼のソールドアウトだった。あの日の1週間ほど前、機材車で4人で移動しているとき、あともう少しでソールドしそう!とJUBEEが嬉しそうに話していた。自分の冠イベントであの場所でソールドアウトすることはとても感慨深いことだったらしく、JUBEEはずっと、嘘みたいだよ、どうしよう、とソワソワしていた。この歳になって、新しいバンドを彼と何の違和感もなくできた理由は沢山あって、この日の機材車で見た彼と渋谷WWWのステージで見た彼も、いっしょにバンドをやりたいと思う沢山の理由の内の1つだった。

真夏に作ったアルバムがリリースされた今日は半袖では肌寒いぐらいで、リリースまでのこの時間差にももう慣れてきた。Age FactoryはAge Factoryらしく、AFJBは AFJBらしく、これからも変わらずやりたいことをやっていくと思う。季節が変わって次はどんな曲が産まれるのか、どんなライブをしているのか、今からワクワクしている。