goodbye,youth

増子央人

2021.10.01

ONE MAN TOUR "Sleep under star"が終わった。今回のワンマンツアーは初めて他のアーティストといっしょに回った。JUBEEは同い年で、見た目は怖いがとても優しくて、音楽が大好きで、リハが終わってからライブ前まで、ずっとiPhoneで好きなアーティストのライブ映像を見ていた。これヤバくない?見てよ、と言って動画を見せてくれたり、おれの知らないカッコいいアーティストを沢山教えてもらった。音楽大好きな中学生のようにいつも純粋に音楽を楽しんでいる。ライブに来てくれた人たちは、JUBEEのMCを見て彼の人の良さが充分に伝わったと思う。ステージの上で帽子取ってみんなに挨拶してたし。おれだったら帽子取らないと思う。髪の毛変な形になってるかもしれないし。後ろで見てて感心した。あとJUBEEは元ラグビー部らしい。初めてそれを聞いたとき、さすが!期待を裏切らない!ありがとう!という気持ちになった。

VJで参加してくれたtokyovitaminのけんちゃんは昔からよくおれらの写真を撮ってくれていたなおきの友だちで、手を振る時代に初めてライブを見てくれて、最近のVJ有りのライブではほとんどけんちゃんにお願いしている。けんちゃんはなんでも知っていて、インターナショナルスクールに通っていたから英語がペラペラだし、日本語あんまり書けないらしいし、奈良では出会ったことのないタイプの人だったので、話しているといつも知らない世界を覗き込んでるようで楽しい。彼もとにかく音楽が好きで色んな音楽を知っている。おれが中学生のときに彼みたいな人と出会っていたら毎日家に通い詰めてオススメの音楽を教えてもらいながらついでに初めて酒飲んだり初めてタバコ吸ったりして悪いことも一緒に教えてもらったりしていたかもしれない。いや、そんなことはないか。バスケしてたか。ミッチーみたいにはならない!とか言いながら真面目にドリブルとかしてたな。たぶん。

最終日のリハーサル中、もしアンコールがあればGOLDでギター弾きたいんですけど、とサポートギターのぼーいがPAの杉田さんに言った。それまでの3本のライブではアンコールは3人で演奏していたので、ぼーいは本編が終わるとステージ袖にはけていた。GOLDは3人でできる曲なので、ぼーいと一緒に演奏したことはなかった。今まで、ぼーいが参加する曲は、こちら側がぼーいにこの曲でギター弾いてほしいと頼んで決めていた。ぼーいと出会ったのは7年程前で、ぼーいがまだピアノガールでギターを弾いていたときにスプリットツアーで全国を一緒に回った。まだ手を振るができる前だった。ぼーいといつから一緒にやり出したのかはっきり覚えていないが、たぶん4人で演奏しだしたのはRIVERを出した頃だと思う。ぼーいが自分からこの曲弾きたい、とリハーサル中に言い出したのは初めてだったので、なんかいいな、と思った。2年前、GOLDツアーのファイナルで、初めて恵比寿LIQUIDROOMでワンマンをしたとき、ライブが終わってから、GOLDで今までに見たことのないようなフロアの盛り上がりを見て、おれちょっと泣きそうなったわ、とぼーいが言っていたのを思い出した。

アンコールでGOLDを演奏している時、上手の袖で、ローディーの山さんとステージの中村さんが両手を挙げて歌っているのが見えて、そんな姿は初めて見たので、嬉しかった。後で聞いたがマネージャーの江藤さんは、ライブが終わった直後、感極まり、終わった直後のメンバーに一声かけたくて、本来ならPAに挨拶をしたり物販に行ったりするのだが、真っ先にステージ袖に来ていたと聞いた。昔から、最高のチームだと思った。

沢山の人たちが関わってくれたツアーが終わり、東京公演では秋に出すアルバムの詳細が発表された。もう10月になったのに奈良ではまだ夏の暑さが尾を引いている。これから次第に空気が冷たくなり、腹も減っていないのに帰り道、コンビニでおでんを買ってしまうような日々が来る。それはつまり、寒さを言い訳に深酒、二日酔いでOS1イッキ、死にかけの海馬に鞭を打って落とした記憶を拾いながら走り回る日々でもある。そんなダメダメな日々を救ってくれるのはやはり音楽と蒼い思い出な訳で、Age Factoryはそんな奴らにも寄り添ってくれる。何が言いたいかというと、早く新しいアルバムを聴いてほしい。