goodbye,youth

増子央人

2021.04.08

桜は例年通り、満開になったと思ったらすぐに散った。毎年狙ったように雨が桜を奪う。今年も花見をしていないと思ったが、よく考えたらここ数年花見らしい花見はしていなかった。

日本では今戦争は起きていないし、ウイルスの騒動もきっとそのうちワクチンが行き届いて落ち着いてくる。地球温暖化だあなんて言ったって、まあきっとあと100年は大きな変化もないだろうし、南海トラフ地震だあなんて言ったって、いつ起こるかわからない地震のことなんて考えてられないし、世界はそう簡単に終わったりはしないので、おれはまた服を買ったりドラムを練習したり五味さんに色々な相談をしに行ったりする。酒を飲んで将来の話や昔の話をして、飲み過ぎて吐く。そんな日々を繰り返している。

Age Factoryは秋にフルアルバムをリリースする。昨日Apple Musicがオススメする音楽を聴いているとAge FactoryのMy endが流れてきた。なんだか随分昔のことのように感じた。Yellowを録り終えた直後、レコーディングブースから二階に上がると、マネージャーが1人で泣いていたのを見たとなおてぃが言っていた。は?マジ?今泣いてたの?Yellow聴いて?やばいな(笑)と、3人で笑った気がする。バンドを取り巻く環境も、周りにいる人も、自分の考え方も、あの頃とは随分変わった。永遠がないように、変わらないものなんてもしかしたら何1つないのかもしれない。目を見ながら本音で話し合えば、人は必ず分かり合えると未だに思っているが、そんな単純な話はどの状況にも当てはまるわけではないということも分かっている。それでも心の奥底の部分では、そう信じ続けていたいと思っている。