goodbye,youth

増子央人

2020.12.17

レコーディング最終日。1日目にドラムを録り終えたので2日目からほとんどやることがなかった。ドラムテックはLOSTAGEの岩城さんにしてもらった。相変わらずチューニングのことをよくわかっていないおれは「増子くん全然覚える気ないやろ、運動神経のみでドラム叩いてるもんな」と岩城さんに言われて、なんかそれ漫画のキャラみたいやなあと思った。そんなことだからいつまで経ってもチューニング技術が上達しない。ドラムは昔から叩くこと以外のことに興味があまり湧かない。今回のレコーディングでは、Age Factoryの最近のMVや配信ライブの監督をしてくれている央大というやつに映像も撮ってもらっている。央大は英介と同い年で、東大出身、映画監督、少年時代をアメリカで過ごして英語ペラペラ、ギター上手いピアノ上手い歌上手い足速い、エンジニアもできる、彼のスペックがあまりにも高すぎて、央大が苦手なことを必死に探していたらドッヂボールが弱いということが判明し、英介とやたら喜んだ。ドッヂボールなら勝てる。「おれもドッヂボール苦手やわ…」と隣のなおてぃが呟いた。

突然少年の新しいアルバムにコメントを送った。せんちゃんはもうしばらく会っていないのに、音源が完成したらいつも連絡をくれる。こういう繋がりは、いつまでも大切にしたい。アルバムを聴いて、早く突然少年のライブを観たいと思った。

3日ほど前から急に寒くなった。吐く息が白い。爪切りで切った爪のような形の三日月が夜空に浮かんでいるのが見えた。あれを投げたら相当な武器になるに違いない。今年の冬はストーブを買おうか迷っているが、どうせまた買わずに春が来るんだろうとも思う。