goodbye,youth

増子央人

2020.08.04

昨日は身体に良さそうなことをしたから、今日は身体に悪そうなことをしよう、という思考を日々交互に繰り返している。毎朝アラームが鳴る前に蝉の鳴き声とカーテンの隙間から差し込む日差しで目が覚める。朝までつけっぱなしのクーラーの冷気で身体が重たい。

気がつけばもう八月になっている。この生活にも慣れてきた。同じような一週間がさらさらとどこにも引っかかることなく流れていく。車窓から見える入道雲を見ても現実のものとは思えなかった。もう以前までの夏は遠い別世界のことのように感じる。あの雲も多分誰かが空に描いたものだろう。匂いが好きだから買ってきた蚊取線香は、よく考えたら外が暑過ぎてずっと窓を閉めたままにしているので使う機会がない。秋になったら窓を開けてベランダに蚊取線香を置こう。八月の太陽が出ている日中はできれば一歩も外を歩きたくない。

大好きなコウテイビスケットブラザーズが最近賞レースで優勝して嬉しかった。コウテイは、ネタ合わせの回数、練習量が他のコンビの比にならないぐらい多いという話を少し前に聞いてから更に好きになった。少し前にインディアンスのしくじり先生を見てとても感動した。日本一のコメディアンだって誰とも話したくない日があるかもしれないし、世界一のロックスターだって粉薬を飲んだら咳込んで全部ぶちまける日があるかもしれないし、みんなが羨む美貌のアイドルだって朝起きたら口が臭い日があるかもしれない。結局はみんなただの人間で、日々生活をしている。どれだけ生活を重ねて歳をとって色んな知識を得ても、みんな同じなんだと思っていたい。