goodbye,youth

増子央人

2020.07.08

強い雨風の音で目が覚めた。ベランダの手すりにビニール紐だけで固定していた向日葵のプランターが心配になって窓から外を見たが、落ちてはいなかった。中に入れたほうがいいか一瞬迷ったが、雨に濡れるのが嫌だったのでそのまま放置した。あれほど愛着が湧いていたのに、まあ下に落ちたら落ちたで仕方ないか、と思った自分に驚きはしなかった。今までにもそういうことはあった。雨風が止んだ昼間にベランダを見てもプランターは落ちていなかった。よかった、と思った。

夕方、グッズ撮影をするために許可を取って奈良県内の学校へ行った。敷地内に入ってすぐ、大学時代の同級生と会った。その友だちはそこで教師をしていた。知らなかったのでとても驚いた。車から降りて少し話をした。まだiPhoneに増子の飲み会のときの動画あるで、と言われて懐かしい気持ちになったのと同時にきっとろくな動画ではないので消してほしいとも思ったが言わなかった。先生になって今何年目?と聞くと、6年目、と言われ、少し考えたらわかることだが、改めてその数字を言われると、なんだか信じられなかった。6年目なんて、もう中堅やん。何その響き。そう思ったことをプールサイドでなおてぃに話すと、なるよな〜、なんか大学の頃ぐらいから何も変わってない気するよな、と言っていた。久しぶりに見た学校のプールは小さかった。あの頃あんなに長いと思ってた25mは、こんなもんやったんか。大人になったんだと思った。えーすけは何度もプール入りたいわあと言いながらプールサイドを歩いていたが、先生も見ていたし、さすがに飛び込んだりはしなかった。大人になったんだと思った。

7日の夜にドラム動画を公開した。Age Factoryの曲のドラムは難しいフレーズも複雑なビートもないが、今自分にできることをやってみようと思い、友だちに動画を撮ってもらった。録音、mixをしてくれた祐一と映像、編集をしてくれたはーちゃんはお互い違うバンドで10代の頃からいっしょにライブをしてきた。その2人と今こういう形で何かをできたことも嬉しかった。動画は奈良ネバーランドで撮った。結局1人では何もできないので、色んな人が手伝ってくれて、良いものができた。沢山の人に見てほしい。