goodbye,youth

増子央人

2020.04.27

少し前に三重の爺ちゃんから貰ったビール券をすべて瓶ビールに引き換えたので、冷蔵庫の中はキリンとアサヒの瓶ビールで一杯になった。つい先日、こんなのいくら飲んでも減らないじゃん!と思い部屋で映画を2本見ながら瓶ビールを気付けば4本あけてしまい泥酔。最初の2本はキリンを飲み、3本目からアサヒに変えたのだが、その3本目を冷蔵庫から取り出したとき、味変♩味変♩と歌いながら瓶ビールの蓋を勢いよく開け、心の中にまだ少し残っていた素面の増子がうわこいつめっちゃ酔っとる家で1人やのにやっば、と流し目でこちらを見ていたがおれはそんなやつのことなど気にも留めずに気持ちよくアサヒを飲み干した。1本目にゴースト、2本目に見ていた映画は69、中村君役の星野源が校長室でうんこをするシーンが来たところでおれは、「来たー!伝説のシーン!」と声に出して一時停止ボタンを押し6回目の小便へ行った。回数は勿論適当。覚えているわけがない。

次の日二日酔いで少しの吐き気と頭痛に見舞われ、シンクの横に置かれた4本の瓶ビールを見てどうして2本でやめなかったの?と昨日の自分に聞いてみたが昨日の自分はもうどこにもいなかった。鏡の中にはむくんだ顔のその日の自分がこっちを睨んでいるだけ、吐きそうになった。

昨日の夜中、ENTHとスサシと工場の廃墟のような場所で3マンライブをする夢を見た。スサシのたくまくんはリハーサル中、サングラスをかけて紫に光るギターを弾いていた。自分たちのリハーサルが始まるので裏の階段横の汚いスペースでペダルを組んでいたら、スプリンクラーのようなもので辺りを消毒していたおっさん3人組が現れた。そのおっさんたちがおれの横を通ったときに消毒液でペダルがびしょびしょになった。あの、機材濡れたんすけど、とおっさんに言うと、顔に消毒液をかけられ、もう1人のおっさんがブラシで足を殴ってきた。ブラシで殴ってきた方のおっさんに激しく腹が立ちお前ちょっと待て今何した?と切れたところで目が覚めた。ウイルス戦争が起こったあとの廃れた世界みたいだった。目が覚めた後もやけにリアルで胸糞が悪かった。どうかそんな世界は来ないでくれ。