goodbye,youth

増子央人

2019.11.30

前回のHOPEツアーで福岡CBに来たときは天気が良くなかったので、すぐ後ろにある旧KBC電波塔にあまり目がいかなかったが、この日は空の青と旧KBC電波塔の赤と白が絡み合っていてとても綺麗だった。大通りにライブハウスがポツンと建てられている姿は国道24号線沿いの奈良ネバーランドと重なった。

G-FREAK FACTORYのライブを二階の関係者席から見ていた。「日はまだ高く」の途中でフロアの真ん中辺りにサークルができ、お客さん同士が肩を組んで飛び跳ねながらくるくると回っていた。おれの父親ぐらいの歳の人が、おれより歳下に見える男の子たちと楽しそうに肩を組んで飛び跳ねていた。なんて綺麗な景色なんだろうと思った。みんなが笑っていて、みんなが歌っていた。その景色の温かさに、何度か涙が出そうになった。愛に溢れていた。年末が近づくにつれてどんどん機嫌が悪くなっているバイト先の店長に、この光景を見てほしいと思った。一体何を感じて何を思うだろう。茂木さんは、戦国時代に産まれていれば間違いなく大将軍になっていたんだろう。部下から慕われるタイプの。いつの時代も、人の心を動かすのは血の通った人の言葉だと思った。

今日もG-FREAK FACTORYのツアーに呼んでもらい、広島へ向かっている。心が動く瞬間の景色、音をしっかりと覚えておきたい。