goodbye,youth

増子央人

2019.08.14

昨日は東京でMV撮影があった。朝方の渋谷を飲み歩いた。路上に座り込みながら飲む人たちのすぐ近くをネズミが横切った。居酒屋の前で潰れて寝ている人、高架下でダンボールに囲まれながら寝るホームレス、溢れかえるゴミ箱。その周りにまたネズミ。いつ来ても見慣れない。15時頃に撮影を全て終え、東京を出た。

帰りの車内で、今は社会人の、高校時代に組んでいたコピーバンドのメンバーから久しぶりに電話がきた。今そのときのバンドメンバーの1人と飲んでいるから来れないかとのことだった。奈良へ帰っている最中だったので勿論そこへは行けず、また飲みに行こうと口約束をして電話を切った。その二人が今一緒にいて飲んでいるということが少し嬉しかった。増子は今かもしれんけど、おれはあんときが一番青春やって、あんときが一番楽しかったんよ、と電話越しに話すそいつの顔は簡単に想像できた。かなり飲んでいたようで、電話を切ってから少しLINEをして、次いつ会えるかのやり取りをしたが結局予定が合わず、約束できなかった。最後に、売れてもそのままのお前でいてくれよ、と書かれたLINEが来た。今の自分を肯定された気がして少し嬉しかった。変わり続けたいが、変わりながら、芯だけは変わらずにいたい。奈良に着いてすぐにいつものうどん屋さんへ行った。変わらない味に気持ちが少し和らいだ。