goodbye,youth

増子央人

2019.04.16

薄く青い岡山の空に碁石のような鴉が一羽浮かんでいる。街はすっかり春めき、自転車にまたがる女子高生のスカートはやらしさを持たずに無邪気に揺れている。遠くの方に山が見える。綺麗な緑色をした木が生い茂り、山もまた春を歓迎しているように見える。

THE FOREVER YOUNG。おれにとってとても大切なバンド。フロアで自然と涙が溢れた。涙が溢れるなんて、そんなにあるもんじゃない。走り続ける背中はとても暖かく、きっとおれは前が見えなくなったとき、あの人たちのライブをまた見に行く。くにさんがいてくれてよかったと、心から思う。

アメ村に到着して、リハまで時間があるので少し歩き、マクドに入った。相変わらずこの街は好きな部分が一つも見当たらない。路上まで聞こえる無駄にでかい店内BGM、人とすれ違うたびにする苦手な香水の匂い、群れることで強気になった少年少女たち、気のせいだと思うが空まで濁って見える。今日はこの街でライブをする。