goodbye,youth

増子央人

2018.10.11

昨日GOLDを発売した。バイト先へ向かう朝焼けの中、好きな音楽を聴きながら歩いた。GOLDも聴いた。おれはなんとなく、大丈夫なんじゃないかと思った。全部。来月の家賃のことも、年金のことも、好きだった人のことも、実家で一人暮らしをする母さんのことも、東京で一人暮らしをする妹のことも、福島で暮らす父のことも、おれのお腹が弱いことも、なんだか全部、大丈夫な気がした。音楽とは不思議で、いつも根拠のない自信と勇気をくれる。おれたちは昨日無限の空へと羽ばたいて、あの日馬鹿にした君の声なんてもう聞こえないところまで行こうとしている。あとはみんながついてくるだけだ。音量をいつもより少しだけ上げれば、そこにあるのはおれたちと音楽だけ。それだけで充分な気がした。