goodbye,youth

増子央人

2018.09.11

半袖じゃ肌寒いくらいに風が涼しい。西永福駅で渋谷行きの電車を待っている。目の前をおれの苦手な香水をつけた男が通り過ぎた。その嫌な香水の匂いをかき消すようにホームに電車が流れ込んだ。やはり少し寒い。昨日機材車で見た映画を思い出そうとした。あの映画はとても暗かった。昨日機材車で読んでいた小説を思い出してみた。今もポケットに入っている。まあざっくり言うと男と女の話だ。少し考えれば、あの男と女がどうなっていくかは、容易に想像できる。そういえばさっきすき家で食べたカレーはイマイチだった。50歳ぐらいのアルバイトのおじさんが1人で店を回していた。声は元気だったが、顔は疲れているように見えた。今日でアメリカでテロが起きてから17年経ったということを、朝のニュースで知った。雨雲が東京の空を覆っている。電車の中、窓の上、垂れ流しの広告がテレビから流れている。耳元からは好きな音楽が流れている。