goodbye,youth

増子央人

2018.06.29

夜勤明け、15時ごろに暑さで目が覚めた。顔を洗い、寝癖を直して、借りてきたDVDをデッキに入れ、映画の予告を見ながら冷蔵庫の缶ビールを取り出した。気がつくと映画は終わり、無音のエンドロールが流れて、外はもう薄暗くなっていた。水を一口飲んで、なんとなく外に出て、THROAT RECORDSに行った。コンビニでオリオンビールを二本買って、一本は五味さんにあげた。おすすめのバンドを教えてもらい、しばらく話をして、レコードもCDも買わず、おれは居酒屋に後輩と飲みに行った。居酒屋を出たあと、公園でまた少し飲んだ。夜中の2時頃、公園の前にあるアパートから男が1人、タバコを吸いに外へ出た。そいつは2分も経たないうちに吸っていたタバコを4階から外に捨てた。赤い光が宙に舞い、男は部屋に戻って行った。エンドロールが流れたから、もうあの映画の続きは見れない。続編は、ないらしい。何度も何度も同じ映画を見返す。

冷蔵庫の中には、水と缶ビールと母さんがくれたゼリー。最近一人暮らしを始めた。栄養つけろよって、バイト先のダメ店長はおれがバイトに行くたびいつも何かをくれる。人の優しさは湯たんぽよりも暖かい。松屋の味噌汁を、残さず飲むようになった。