goodbye,youth

増子央人

2018.05.30

あの日は確かなけなしの金で風俗に行った。初めて最後までやるお店に入った。最中にお金のことやその他色んなことを考えてしまって、イけなかった。虚しくなって、すぐにその日対バンだったTHE FOREVER YOUNGのくにさんに報告した。くにさんは大爆笑していた。

あの夏は確か好きだった人と海に行った。あの海は今もあの頃と変わらず波寄せてる。花火の火薬の匂いがする浜辺で、水平線に沈む夕日を2人でただ見ていた。オレンジ色の小さな太陽が、このままずっと沈まなければいいのにと思っていた。

茶店の窓から見える高知の路面バスを見て、太秦の路面バスを思い出した。お昼に入った銭湯で、背中一面に入れ墨の入ったおじさんが頭を洗っていた。そのあとに入ってきたおじさんは、なぜかずっと浴槽の方を向いて身体を洗っていた。昨日はしんたろうと朝方まで飲んでいた。SEXと小説の話ばかりしていた。二日酔いは銭湯の石鹸で洗い流した。番台のおばさんが綺麗だった。ライブハウスに戻るまでの道で、猫を二匹見た。リハーサルをして汗だくになった。お腹をまた下している。