goodbye,youth

増子央人

2018.05.19

昨日は東京で、きのこ帝国と2マンライブをした。学生時代から聞いていた大好きなバンドが、初めましてでおれたちの自主企画に出てくれたことが、とにかく嬉しかった。今日は東京オフ、今は大塚駅前の喫茶店で二日酔いの気持ち悪さをジンジャーエールで薄めている。東京で打ち上げをすると毎回、スペシャのAge Factory周りの人たちが集まり、20人ぐらいの大宴会になる。大人の人たちがベロベロになって、おれたちのことを褒めちぎってくれる。Age Factoryは必ず日本の宝になる。いつか日本の音楽シーンを変える存在になる。そんなことを、真剣な顔で言ってくる。おれたちはただ、その言葉を信じるしかない。先のことなんて誰にもわからない。今はただ、あの泥酔した大人たちの純粋な言葉を、眼差しを、世の中の汚い部分なんて何も知らない小学生のように、信じるしかない。昨日のライブの感覚を、ステージから見えたお客さんの顔を、突き上げられた拳を、ダブルアンコールの拍手を、自分たちの音楽を、信じるしかない。きっと大丈夫だ。

初夏の匂いのするこの時期は、半袖で外に出れることが嬉しくて、一駅分ぐらいなら歩きたくなる。喫茶店の窓から見える東京の空は少し狭くて、雲の流れが早い。縁石に咲く薄紅色の花がとても綺麗で、昨日のきのこ帝国のライブが素晴らしくて、さっき食べた富士そばのとろろ蕎麦が美味しくて、東京も悪くないなぁなんて思っている。