goodbye,youth

増子央人

2018.03.18

レコーディングが昨日終わった。今日はスタジオが終わって、京都へ向かった。何回も行った京都は、帰り道少し飲み足りず、駅のコンビニで缶ビールを買って各駅停車に乗った。今は電車に揺られながらビールを飲んでこれを書いている。

毎日通る駅までの道に、道路際の家の庭からはみ出るほどの桜の木があった。1ヶ月ほど前、いつものように駅まで原付で向かっていると、いつもあるはずの場所にその木はなかった。ちょうどその家は信号の隣にあって、赤信号で止まる度に左上からこぼれてくるその家の桜に、もう何年も目を奪われていた。その桜の木が突然なくなった。その家の庭がすっきりしていたから、恐らく庭師の人に切られたんだろう。おれは今年もその木に桜が咲くのを楽しみにしていた。少し背の高い車が横切ると、風で桜の花びらが空を舞う、あの瞬間がとても綺麗で、桜は基本的に弱くて儚いが、あそこの桜は特別に儚く感じた。最近はその交差点での信号の待ち時間がいつもより長く感じる。