goodbye,youth

増子央人

2017.12.26

街の光は生きるための光以外ほとんど消えた。昨日まであんなにキラキラと装飾されていた木はただの木になった。年の終わりに向けて本格的に時間が走り出した。バスケット選手はバスケットだけ、野球選手は野球だけ、小説家は小説だけ、役者は芝居だけ、政治家は誠意だけ、神様は愛だけ、バンドマンは音楽だけ。それ以外はいらない気がする。ホテルでパクったT字のカミソリで無駄を剃り落とす。血が出てもいいんだ。なんとかカッコつけて、ポケットに入っていた小銭で後輩にビールを奢ってやって、なんかそんなんでいいんだたぶん。平成が来年で終わるって。勝手に新しい時代が始まる。