goodbye,youth

増子央人

2017.12.25

今年のクリスマスは雪が降るのかなと毎年、別に降っても降らなくてもどっちでもいいのに一応考える。最後にサンタさんにもらったプレゼントは確か横1.2メートル程の大きな水槽だった。色んな生き物をそこで飼った。その前の年は確かコブクロのアルバムだった。おれは物凄く喜んでいた気がする。妹はゴスペラーズミモザという曲のシングルで、泣きながら母さんに「KinKi Kidsがよかったのにぃ!」と猛抗議していた気がする。いつかのクリスマスは幼馴染の友だちの家に泊まって今日こそはサンタを絶対見ようなと2人で意気込んで夜更かししようとしたけど遊び疲れて気がつくと日付が変わる前には2人揃って寝落ちしていた。朝起きると友だちの家なのにおれの枕元にもプレゼントが置かれていた。そのときはおれにもプレゼントが来ていたことに何も驚かなかった。逆に友だちにはあっておれにだけプレゼントがなかったら泣き叫んでいただろう。勿論、母さんが届けてくれていたらしい。

車で家族で遠くまで遊びに行って、帰り道に寝ちゃって、起きたら布団にワープしていたあの感覚がとても好きだったなと、クリスマスの思い出に引っかかって今ふと思い出した。父さんが起こさないように抱っこして車から布団まで連れて行ってくれていたんだ。たまに起きてるときもあったけど、おれは黙って寝たふりをしていた。あの時間が好きだった。キリストのこともユダのこともあんまり知らないままクリスマスをお祝いする。それは凄く阿保で素敵なことだと思う。