goodbye,youth

増子央人

2017.10.16

新潟のホテルで昔飼っていた犬の源太郎の夢を見た。自分でセットしたアラームに夢を中断されて、すぐに夢の続きを見ようとアラームを切って目を閉じたがもうその夢は見れなかった。車でいっしょにどこかへ旅していた。相変わらず源太郎は車の中で落ち着きがなく、窓の外に顔を出して見たことのない外の景色を必死で目に焼き付けようとしていた。それ以外のことはもう忘れた。夢の内容はすぐに忘れてしまう。起きて顔を洗い服を着替え、ホテルの横の吉野家へ朝飯を食べに行った。カウンターに座った。すぐあとに来たおじいちゃんがおれの隣に座った。おじいちゃんに水を持ってきた店員さんはにっこりと微笑みながら「いつものですね」と言うとおじいちゃんも照れながら「ありがとう」と返していた。マニュアルがすべての大手チェーン店に、マニュアルにない人の暖かさを感じた。新発売の牛生姜焼き丼を食べながらさっきの夢を必死に思い出そうとしたがやっぱり無理だった。部屋に戻って荷物を取り、ロビーに集合してみんなで今日のライブハウスへ向かう。