goodbye,youth

増子央人

2017.10.08

この前読んだ本のクライマックスに、「だってオレたち、あの世に知り合いがいるんだ。それって凄い心強くないか!」というセリフがあった。この本はとても面白かった。この本のおかげで、遊びに行くといつもお菓子を出してくれたひいお婆ちゃんも、結局一回も腕相撲勝たしてくれなかった爺ちゃんも、手作りのカッコいいラジコンをくれた叔父さんも、元気に庭を走り回っていた源太郎も、みんなあの世からおれのことを見守ってくれていると思うとこの世に怖いことなんて何もないと思える。何もないと言うと嘘になるけど。少し不気味だった仏壇の前でも平気で寝れる。友だちにケンカを売ったヤンキーたちにも、ビビらず立ち向かいたかった。監督と目が合えば交代してもらえる場面だとわかっていたのに、ベンチで震える足を何度叩いても、監督を見れなかった。震えた足で、どうするかが大事なんだ。頭ではわかってる。頭ではわかってるんだ。逃げた事実は人に伝えるとき嘘でどうとでも変えられる。ただ自分の中ではどうしようもなく残っている。あのときのすべてを覚えてる。怖くて足が震えることは恥じゃないんだと思う。震えた足が動かないことがどうしようもなく恥ずかしいんだ。今日は天気が良い。うどんを腹一杯食べたら眠くなってきた。今日は京都で精一杯叩く。