goodbye,youth

増子央人

2017.07.03

暑さで目が覚めた。汗ばんだTシャツに少しイラっとして無意識のまま扇風機をつけた。そのまま二度寝した。また暑さで目が覚めた。外から蝉の鳴き声が聞こえてくる。昨日遠くの空に入道雲を見た。最近は夜ですらあまり涼しくない。自転車をこぐと決まって汗だくになる。おれが通っていた中学校にはプールがあって、夏になると体育は水泳になった。クラスの可愛いグループの女子たちはほぼ毎回生理だと言ってプールに入らなかった。当時おれが好きだった女の子が、クロールで息継ぎをする瞬間の顔があまりにも不細工でショックを受けたのを覚えてる。プールのあとの授業はほとんど寝ていた。あのときの教室の匂いが好きだった。遠くに見える真っ白な入道雲は青い空を突き抜けた。隣の家から風鈴の音が聞こえる。夏めいた空気は少し鬱陶しい。