goodbye,youth

増子央人

2017.06.08

久しぶりに1日何も予定のない日。東京から車で帰ってきたのが朝方、家に着いて昼過ぎまで寝ていた。起きて録画していたバラエティーを見ながらダラダラ準備をし、映画を4本借りに行った。帰ると母が帰宅していて、粗大ゴミの日だからとゴミ出しを手伝わされた。昔飼っていた犬が外に出ないため作った木の柵を庭の隅から取り出してきた。確か父が作ったものだ。もう使い道もないし邪魔だから捨てた方がいいのはわかる。でもあまり気は進まなかった。ゲンはあの柵によく手をかけて餌をねだってきた。おれが母とケンカをして家出(庭に)したとき、柵にもたれて座り込んでいるおれの横にずっと居てくれた。クゥーンと鳴く声はおれを慰めてくれているようだった。柵をすべて捨てたあと、借りてきたSTAND BY MEを観た。80分、映画の中では一晩の話だった。10代のあの輝きは何歳になって観てもきっとあの頃と同じ輝きをしている。その光によってできた影も、照らされている本人は気付かない。あの映画に照らされている時間は日常のすべてを忘れている。だから素敵なんだ。ずっと見つめ続けると目を潰す。それすら美しく感じる。